D&D 担当:菊池
皆さんごきげんよう。第一回システムレビュー担当の菊池です。
今回は第一回目という事もありまして、TRPGの大殿堂、D&Dについて語ろうと思います。
と言うのも、我が大谷大学TRPG同好会で、D&DのGMをする人間が私一人だったりするからなんです。
D&D……名前だけならば、知っている方は結構いると思います。有名なゲームですからね。
では、やったことは? D&Dと言うゲームを、プレイしたことはあるでしょうか。
ちなみに私の知っているD&Dは、最近出ているアドバンスドとかではなく、和訳されて日本で売られ始めたころの、文庫版初期D&Dだったりするんですが……。
チャプター1:世界観?
D&Dがどのような世界かを説明するにあたって、一つ言わなければならないことがあります。
それは、D&Dというゲームには、しっかりとした世界観が存在しない、ということです。
とはいえ、種族やおおまかな世界の感覚として、かの有名な指輪物語が根底に存在する事は確かです。しかしそれでも、D&Dの世界観は一つに定まっていません。
なので、プレイするときはGMが世界を考えてくるか、細かい事を考えずに「中世ファンタジー」とだけ認識して遊ぶか、になります。
私としては前者をお勧めしますが、遊ぶ分には後者でも全然いいと思います。私もよくやりますし。
チャプター2:システム
では、今度はシステムの紹介に入ろうと思います。
このゲームに必要なダイスは、基本的には20面体となります。この20面体をつかって、様々な判定を行う事になります。これがかの有名な「D20システム」なわけですね。
とはいえ、20面体以外を使わないというわけではありません。基本的にD&Dは、普通に市販されているほとんどのダイスを使う可能性があるゲームです。
こういった面を考えると、昨今のD10のみとかD6のみといった、ダイス一種類型のゲームから考えると、少々面倒なゲームとも言えます。とはいえ、基本的には武器くらいにしか別のダイスは必要ないので、それほど手間のかかることではないと思います。
チャプター3:キャラクター作成
では、キャラクターの作成方法にも、簡単に触れてみましょう。
まず能力値です。使用するのは3D6。そして、D6というダイスに厄介になるのは、これ以降は武器や魔法、あとは種族の特殊能力などでたまに使われるだけで、判定には一切使用されません。
作り方は簡単。3D6を6回振って、筋力、知力、知恵、敏捷性、体質、魅力の六つの能力に、それぞれ当てはめていくだけです。
基本的には、上から順に当てはめていく事になっていますが、GMの判断によっては数字を好きなように移動させたり、合計値があまりに低い場合(私の場合は、大体平均が8を切ったら)は、振りなおしを認めたりしてもいいでしょう。
能力値が決まったら、次は職業です。
職業は全部で七つ。戦士、僧侶、魔法使い、盗賊、エルフ、ドワーフ、ハーフリングです。
おや? なんで異種族が職業なの? と思った方もいるのではないでしょうか。
そう。実は、D&Dの異種族は職業扱いなのです。逆を言えば、異種族は職業を選ぶ事が出来ない、と言ってもいいでしょう。彼らは、生来持っている特性以外に成長する事は出来ないのです。
その代わり、彼らの持っている特殊能力には光るものがあります。
今回は割愛しますが、機会があれば読んでみてください。その場では実感は沸かないでしょうが、実際にD&Dというゲームを知れば知るほど、なかなかの能力だと感じる事でしょう。
まぁその分、職業で異種族を選ぶには、必要最低能力値というものが設定されていたりしますが、今回はこれも割愛させていただきます。
職業まで決まったら、あとはHPと所持金、さらに装備の決定です。
所持金の決め方まで書くのもどうかと思うので、割愛します。注意点は、ここで決定した所持金で、最初の装備を買わなくてはならない、という事でしょうか。結構貧乏人にはシビアです。
ちなみに、装備を買うときには防具から先に買うことをおすすめします。でないと、あとで必ず後悔します。
さて、ここまできたらお楽しみのHP決定です。ちなみに、このゲームMPはありません。魔法は回数制なのです。しかも、レベル1魔法が使えるからといって、全てが使えるわけではないあたりが、結構シビアです。がんばって、魔法書を手に入れましょう。
さて、HPの決め方ですが……基本的には
職業ヒットダイス(HD)+体質修正=HP
となります。
ヒットダイスというのは、ヒットポイント決定ダイスのことです。
そして体質修正というのは、先に書いた能力値の中の一つ、体質の修正値となります。ちなみに、修正値はマイナスもあるので、ここを捨てた人には厳しい事になります。冒険者は虚弱では務まらない、ということですね。修正は、マイナス3からプラス3まであります。
ちなみにこのHD、レベル1の時は1Dです。さらに、HPに恵まれている戦士でもD8なので、どれだけ頑健な戦士でも、最大HPは11。一番ひ弱な魔法使いにいたってはD4です。
最悪、HP決定時に、数値が0以下になることもありえますが、そういう時はGM判断で、最初から作り直させるか、HP1として扱うという手もあります。
ここまでくれば、D&Dの感覚が、少し見えてきたのではないでしょうか。
この項はしっかりと説明すると長くなるので(本来は、盗賊スキルや職業スキル、一般スキルもあるんです)、このあたりで切らせていただきます。
チャプター4:D&Dのゲーム感覚
実は、ここが私がD&Dを好きな理由の一つでもあるわけですが、D&Dと言うゲームは、必ずしも敵を倒して経験値を得るゲームではないのです。
むしろ、敵を倒して手に入る経験値は、かなり少ないのです。何よりも、わざわざ戦うと、結構簡単に死んじゃうんですね。
先ほどのチャプターを思い出してください。
一番タフな戦士のHPは、最大11。体質修正が3点ついたとして、期待値では(1Dのあたりで、期待値もないにもないもんですが)、大体8点といったところでしょうか。
対して、このD&Dというゲームにおいて、一般的な武器であるノーマルソードの攻撃力は、1D8+筋力修正……つまり、最大11点、期待値8点。HPと同じです。もちろん、これよりも威力のある武器は、結構ごろごろしています。
防御点があるんじゃ……と思った方々には、残念なお知らせです。D&Dに防御点は存在しません。
つまり、当たったらその威力が、直接HPダメージとなるわけです。
じゃあ、分厚い鎧は何のためにあるのさ、と仰られる方々はたくさんいると思います。そこで、D&Dには、装甲の分厚さを表す単位で、アーマークラス(AC)というのがあります。
この値が低ければ低いほど、敵の攻撃が「当たりにくく」なります。
はい、D&Dには、回避判定は存在しません。相手が命中でいい目を出さないように、ひたすら祈りましょう。
これが、D&Dで戦闘をあまりしてはならない理由の一つです。
折角冒険に出たばかりなのに、相手のラッキーヒット一発で、ゲーム開始直後にいきなり昇天したくはないですよね。もちろん私もそうです。
まあ、これもレベルが上がれば、多少は楽にはなるのですが。
レベルの話が出たので、経験値に話を戻しましょう。
D&Dの経験値の大半を占めるもの。それはなんと言っても、お金です。
ダンジョンなどで最終的に手に入れたお金が、そのセッションでの経験値となります。
D&Dは元々、ダンジョンに眠る宝を手に入れるゲームです。そんなわけで、経験値はお金です。お金が経験値なのです。
実際にプレイしていただければ、より実感がわくことでしょう。
ちなみに経験値は、1レベルから2レベルに上がるのに、職業の違いはありますが、約1000経験点が必要です。
金貨1枚分の価値=経験点1点
1レベルの冒険者が倒せる敵の経験値=一匹大体10点〜30点くらい
こんな感じです。
どっちが有用でしょう。リスクを考えるならば、敵から逃げまくって金貨探したほうが、よっぽど効率いいと、私は思います。
ちなみに、よくある魔法の薬は、余裕で金貨1000枚分の価値があったりします。
チャプター5:D&Dというゲーム
このD&Dというゲームは「考えるゲーム」だと思います。
昨今のTRPGによくある、戦闘を念頭に置いたゲームとは、一線を隔した感のあるゲームでしょう。ちょっと考えなければ、わりとあっさりと人は死にます。たまには、結構考えてもあっさり死んだりもしますが……。
戦闘バキバキなゲームが悪いとは言いません。話を作る上で、戦いが必要不可欠な時もあるでしょう。状況が、戦いを強いることだってあります。
それでも……いや、だからこそ私は、こう言いたいのです。
「戦わなくて済むのなら、そしてそれで目的を達する事が出来るなら、わざわざ戦う必要はない」
目的を達成する手段の中に、戦いを入れる絶対性はないと思います。
そもそも戦いとは、大抵は死と隣り合わせです。そして、現実世界では目的を達成するための最終手段として扱われます。
なら、意図的に戦いを避けて、何が悪いのでしょうか。
「死なないようにする」ためには、相当の情報と思考能力が必要となります。なんでもすぐに力に訴えるのは、賢い者のすることではないと思います。
冒険者は「冒険」する者であって、無謀者ではないのです。
D&Dは、死という危険に対して知恵をめぐらし、それを回避して目的を達成するゲームです。
敵という障害を乗り越えるゲームも、私は好きです。けど、がんばって考えて、それをすり抜けていくゲームは、もっと好きです。
最後は好みの話になってしまいましたが、これにて私のレビューを閉めさせていただきます。
こんな、説明が半分くらいを占める長文にここまでお付き合いいただき、皆さん本当にありがとうございます。
それでは、皆さんのこれからに幸あらん事を祈りつつ、今回の文を閉めさせていただきます。
皆さん、ごきげんよう。
〜追記〜
私のエルフ像は、多分にD&Dのイメージが強く入っています。
なので、私はファンタジー系のTRPGサプリが出て、エルフという種族がそのゲームに出るたびに、どきどきしながらエルフの能力や特性を調べます。
「魔法戦士に向きそうな能力でありますように」と。
……大抵は魔法使いか、狩人なんですがね。そして大抵は、戦士には不向き……というか、エルフは戦士やったら戦死……なんていう、さえない洒落も出るくらい、戦士には向きません。
かなり切ないです。
呪文を唱えながらバスタードソードをぶん回したいんですよ!
魔法を放ちながら、風のように舞いつつ戦いたいんです!
……狩人なのは分かるんですがね……弓は、力がないと引けないんですよ。昨今のひ弱なエルフじゃ、弓なんて引けませんよ。引けたとしても、よしんばうまく矢が飛んだとしても、標的に致命傷を与えられなかったら、狩人失格ですよ。弓の威力は、弦の強さ=筋力なんですよ。
ううう……切ないよぉ。
まぁ、最近は前に比べて、致命的なほどひ弱じゃないのが多いからいいけどさ。