〜Aの魔法陣〜A―DIC式神の城〜
                  Written by カラスネコ
○序文
あるところに芝村裕吏という1人のゲームデザイナーがおりました。箱庭的な世界観を好むその男は、自分の望むままに作ったその箱庭的な7つの世界をつのTRPGとして転生させました。
それがAの魔法陣。
芝村氏が創り上げた7つの世界……通称『無名世界』の中の1つ、かつて復活した『AZANT』という悪しき存在から、第7世界の人間が自分たちの身を守るために、複数の盾として分裂させられた群状世界『第六世界群』。今回紹介する『式神の城』の世界はその世界群の中の1つです。

○世界観
このゲームの舞台は我々の世界と同じような歴史を歩んできた世界。ただしそこには超常の存在である『式神』と、彼らと契約することによって特殊な力を身につけた、或いは生まれ持ったその力を持って式神と契約した、式神使いと呼ばれる者たちがおりました。
彼らは別に特別な存在と契約したからといって何かが変わったわけではありません。彼らの目の前にあるのは今までと何1つ変わらない日常です。ただ、その少しばかりよくなった目でこの世の理不尽を垣間見る回数は増えたかも知れませんが、それに関わるか否かは貴方の自由です。

○式神の力…式神能力
式神たちが持つ万能ではないが強力な力です。
食人鬼が持つ全てを切り裂く万能包丁から、この世を作ったもう1つの太陽が扱える世界創造の力まで、貴方と契約した式神の性質によってそれは大きく変化します。

○式神使い
貴方達プレイヤーはこの世界では式神使いとなります。
式神使いであることに制約はありません。ただし、だからといって特異なものとは無関係な人々に対しその力を理不尽に誇示したら、手痛い罰を受けるでしょう。他の式神使いからの討伐や、式神ではなく世界そのものと契約することによって、世界の1部となり力を得た存在、守護者による制裁です。

○システム
通常のTRPGはサイコロを振ることで様々な行動の判定を行いますが、Aの魔法陣はPCの能力を数値化せず、そのキャラクターのイメージに合った能力を選択したライフパスに沿ったワードで登録したものを宣言することで行います。既存のシステムとはだいぶかけ離れている分、ほかのTRPGよりもクセの強いシステムではあります。

○総評
 このように、既存のTRPGとは少々毛色が違うためにやや難色を示される事も多いゲームではありますが、実際にプレイしてみると十分TRPG、つまりトークによって進めるゲームとしての体裁を保っています。
 このゲームの最大の武器はキャラのステータスでも、サイコロ運でもありません。閃きとトークです。自分の行動の1から十まで全てを自らの舌に委ねることにより、レベル1の農民がレベル1〇〇の魔王をプレイヤー自身の力量で倒すことすら可能なのです。TRPGとしては、これもまた十分新しい可能性を秘めた形であると、私は思っています。

○用語集
・SD〜セッションデザイナー。普通のTRPGでいうGM。
・リューン〜世界を形作る情報の集合体。見るには特別な才能が要る。